監督の武井です。
上映会まで残す時間もあと少しとなりました。
嬉しいような寂しいような気持ちです。
今日から、上映会までの短い期間ですが、映画では表現しきれなかった「撮影秘話」なるものを更新していこうかと考えております。
おつきあいください。
「地雷原の環境とデマイナーの仕事」
今日お話するのは、地雷原の環境とデマイナーの仕事についてです。
まず、地雷原とはその名の通り「地雷の埋まっている可能性のある平原」のこと。
そして、デマイナーとは「地雷撤去活動を職業とする人」のこと。
地雷原はこの、「可能性のある」というのがミソでして、そこに地雷が1%でも想定されれば、そこは100%地雷原なんです。
そして、どんな「地雷原」も同じように丁寧にデマイナーによって手作業で撤去活動が行われます。
よくこんな質問をされます。
「地雷撤去は機械化できないんですか?」
そうですね。もちろん、機械化できれば効率的ですし、人が危険にさらされることもありません。
実際、地雷処理に機械はある程度導入されています。
大きなローラーで「わざと地雷を踏みつぶして爆発させる」ことで、処理を進める機械です。
しかし、この機械には問題が二つあります。
一つは、対人地雷にしか対応できないということ。
もし誤って、対戦車地雷を踏んでしまえば、この機械もろとも吹き飛ばされてしまいます。
そのため、「対戦車地雷が100%ない地雷原」でしかこの機械での地雷撤去はできません。
もう一つの問題は平野にしか対応できないということ。
そのため、凹凸の多いカンボジアのような地形には不向きと言えます。
このような理由から地雷処理は9割以上を手作業で行っているのが現実です。
とても非効率的に思えますが、これが地雷問題を解決しうる唯一の絶対的な手段です。
こんな地雷原で働くデマイナー達の仕事は、「本当の3K」と言われたりもします。
日本で言うところの3Kは「キケン・キタナイ・キツイ」ですが、
デマイナーの3Kは「キケン・キケン・キケン」と言われます。
もちろんデマイナー達は厳しい訓練期間をとおして、地雷撤去を学びます。
しかし、危険性は0ではありません。
そのため、ありったけの集中力で撤去活動に当たっています。
こうしたデマイナー達の努力の結果、カンボジア国内の地雷事故は確実に減少してきています。
しかし、地中にはいまだ多くの地雷が残ります。
この地雷を全て撤去し終わるまで、カンボジアの平野はどこまでも「可能性は0」ではありません。
何年かかっても、見つめていかなければならない問題です。





